とよたブログ

猫の下部尿路疾患

本当に寒い日が続きますね。 冬はスタッドレスタイヤに履き替えていますので、1回ぐらいは雪が降ってほしいと思っている私です。 さて、こんな寒い冬に多いのが ネコちゃんの下部尿路疾患(膀胱炎・尿石症・尿道閉塞)です。 なぜ冬に多いかというと、寒くて飲水量が減るので濃い尿をするようになり、体質によってはおしっこに石や砂が出来てしまうのです。 症状は、何度もトイレに行く(頻尿)、排尿に時間がかかる、排尿中に鳴く、ポタポタとしか尿が出ない、血尿などです。そして、特にオス猫ですが(尿道が狭い為)、尿が全く出なくなってしまうことがあります。こうなると尿毒症になってしまいますので命に関わります。 というわけで、今日は先日来院したオス猫ちゃんのお話です。 この子の症状は元気食欲はあるが、何度もトイレに行く、ポタポタとしか尿が出ない、というものでした。 この主訴、メス猫だと膀胱炎かなと予想するのですが、オス猫の場合は尿道閉塞もあり得るので要注意です。尿道閉塞でも初期であれば食欲もあるし嘔吐もないと飼い主さんがおっしゃる場合もありますので、注意深い診察が必要です。 この子も腹部触診で大きく硬く拡張した膀胱が触れ、またペニスは包皮から突出し常に尿をきばっている状態でした。尿道閉塞と診断し、導尿の処置と膀胱洗浄を行いました。 写真は尿道に詰まっていた栓子の顕微鏡写真です。 ストラバイトという結石が中心となって閉塞を起こしていました。 幸い病院に来ていただくのが早かったため、血液検査では尿毒症にはなっていませんでした。その後は、適切な食事で結石が出来ないように管理し、再発もなく経過は良好です。尿石用の処方

手術に関して

動物医療センター とよた犬と猫の病院が昨年の9月に開院してから、早5ヶ月が経とうとしています。 たくさんの患者様に来院していただき、信頼して頂いた上で手術も多く依頼していただけるようになって来ました。避妊去勢手術だけでなく、腫瘍の切除や、子宮蓄膿症、腸切開や胃切開、下顎の切除や内視鏡など様々な手術を行いました。 これまでたくさん修行を積んで参りましたので、もちろんもっといろんな手術にも対応可能です!こんな患者さんが来たらこうしようと日々シミュレーションしています。 患者さんによく聞かれるのですが、一番アドレナリンが出る手術は、帝王切開や胃捻転など、緊急性が高い手術です。夜間救急病院で修行したからだと思います。 獣医師は内科外科関係無く、動物種関係無く、総合医として患者様に関われますので、その分大変ですがやり甲斐を感じて診療させて頂いております。新しい情報を得ること、日々腕を磨くこと、より良い道具を使うこと、これらを怠ることなく、患者様のお役に立てるように努力をしていきます。 1月以降はほぼ毎日手術を行っていますので、避妊・去勢など予定を組んで行う手術に関しては、残念ながら日程のご希望に沿えないケースも出てくるかと思います。 特に土日祝はすぐに予約が埋まってしまいますので、ご予約いただく際はお早めにご連絡をいただけますと幸いです。 動物医療センター とよた犬と猫の病院 院長 北原 康大

肥満細胞腫

肥満細胞腫とは、アレルギーや炎症などに関与する肥満細胞という細胞が腫瘍化したもので、体のいたるところに発生する可能性があります。 飼い主様によく聞かれますが、 太っている肥満とは全く関係がありません。 挙動は様々ですが、基本的には悪性腫瘍であるため適切な対応が必要です。 皮膚の肥満細胞腫は、典型的には脱毛した赤いしこり(いわゆる赤色ドーム状)ですがそうならないことも多く、特に皮膚ではなく皮下にできるものはブヨブヨした柔らかいしこりで、触っただけでは脂肪腫と区別がつきません。脂肪腫なら悪い話はそんなにありませんが(例外もありますが)、悪性腫瘍である肥満細胞腫を見落としてはいけません。 先日来院したワンちゃんも、胸の皮下にブヨブヨしたしこりがありました。触った感触は脂肪腫と似ています。しかし、顕微鏡で細胞をよく診てみると、細胞質内に顆粒を持った肥満細胞が検出され、皮下の肥満細胞腫と診断しました。(写真は病理検査から帰ってきた病理切片です。) 肥満細胞腫に対しては、抗がん剤や分子標的薬、放射線治療などを行うことがありますが、切除可能なら外科手術で取ってしまうことが第一選択です。術後に病理検査によってもう一度詳しく調べ、補助治療が必要か判断します。この子の肥満細胞腫は小さいものでしたが、腫瘍の特性上、腫瘍から離して広く深く切除を行いました。病理検査では幸いこれといった問題もなかったため、術創が癒えた段階で完治としました。 実はワンちゃんネコちゃんは皮膚の腫瘍が出来やすい動物です。 見た目や触り心地だけで判断すると危ない場合があります。 気になる症状がありましたら、一度当院までお越しくだ

モルモットのモルちゃん

小さい頃から私と兄は、何か動物を飼いたいとずっと親にねだっていました。その頃の私と兄の中では、家で飼う動物はなぜか「犬」という考えしかなく、ついに両親がペットショップに行くと言い出した時は当然犬がうちに来るものと思っていました。当時私は保育園児でその経緯はあまり記憶にありませんが、家族4人で春日井の西武に出かけ、家に連れて帰って来たのはなぜか1頭のモルモットでした。 名前はモルモットだから「モルちゃん」でした。 モルちゃんは父親が作った小屋で暮らしていました。水の入った陶器製の皿を歯でカンカンと鳴らすとモルちゃんがお腹が減っているよと母親に言われました。ペレットと同じ形のうんちをすることが幼い私は妙に面白かった記憶があります。当時の家は庭に芝生があり、そこにモルちゃんを下ろすと芝生をまぐまぐと食べ、それを見るのが好きでした。子供用のプールでモルちゃんのお風呂もやりました。 家族4人とも、モルモット飼育の知識がおそらく皆無、もしかしたら何かモルちゃんにとってストレスになるようなこともあったかもしれませんが、間違いなく愛情だけは注いでモルちゃんと暮らしました。 モルちゃんが家に来て2年後、だんだんとご飯を食べなくなり、元気もなくなりました。動物病院に連れて行き、注射を打ってもらいました。その夜、元気無く動かないモルちゃんを家族4人でずっと見ていました。そしてお風呂に入ろうと目を離した時に、モルちゃんは亡くなりました。母親から、みんなが見ている時は頑張って生きていようとしたんだねと言われて、涙が出た記憶があります。 モルモットの寿命は7年ぐらいと言われています。幼い私は何も考えていま

猫のウイルス性角結膜炎

人もインフルエンザが流行していますね。ちなみに私は基本的に健康なので、どんなに睡眠時間が短くてもどんな食生活でも風邪を引きません。 この時期はネコちゃんのウイルス性の風邪が流行る時期でもあります。くしゃみ・鼻水・咳・声枯れ・発熱など人間の風邪と似たような症状が出るのですが、ネコちゃんで特徴的なのが、口内炎や舌の潰瘍、また目の表面の炎症などが起こる子がいるということです。今日紹介する猫ちゃんは眼の症状が強く出た子です。 今日から急に左目が開かないというネコちゃん。 まぶたの裏の結膜がパンパンに腫れています。 これでは角膜の観察ができないため、とりえず抗生剤と抗炎症剤の注射、また抗生剤の点眼をして飼い主さんと世間話をしながら1時間待ちました。1時間で腫れが結構引いたので角膜の染色検査をして、緑色に広範囲に染まったところが角膜びらんです。 診断は角結膜炎(おそらくヘルペスウイルス性)です。 一般的にウイルスは乾燥した冬に感染しやすくなります。ヘルペスウイルスは一度感染すると神経節というところに潜伏感染し、生涯に渡りウイルスを保持することになります。何らかのストレスや抵抗力を落とす原因があると再度症状が現れます。 抗生剤とインターフェロン、場合によっては抗ウイルス薬によって綺麗に治りますが、再発には要注意です。また症状を軽くするため、ワクチン接種を行うことが必要です。 うちのとらぞうは完全室内飼いですが、たまに目をショボショボしたりくしゃみをしたりしています。おそらく私がウイルスを持ち帰ってしまっているのだと思います。帰宅したらとらぞうを抱きしめたい気持ちを抑えて、なるべくすぐにお風呂

鳥取で学んだこと①

私は大学時代を過ごした「鳥取」を愛しています。 鳥取へ行ったことのある方は非常に少ないと思います。鳥取への恩返しとして、あまり知られていない鳥取の魅力をお伝えして行くことを1つのライフワークとしていますので、少しずつブログにも書いて行こうと思います。 また獣医師という職に興味を持っていただくため(獣医大学が新設されるということもありますし…)、獣医大学の少し変わった生活なども紹介していけたらと思っています。 鳥取は日本で一番人口が少なく、市は4つしかありません。日本海に東西に長く面しており、少し内陸に行くと中国山地の険しい山々があります。海と山に囲まれた土地です。そして日本海側なので平地でも冬はめちゃくちゃ雪が振ります。冬は太陽が出ません。高速道路も当時はありませんでした(私が大学を卒業してから鳥取自動車道が完成し中国自動車道とつながりました)から、鳥取の自動車教習所に通った私は高速道路教習をしていません。汽車(電車ではありません、ディーゼルです)は単線で良くて30分に1本、ボタンでドアが開閉します。鳥取駅には自動改札がありませんでした。 一言で言うと、とにかく田舎です。 そんな鳥取も魅力は満載です。 まず一番に思いつくのは海です。 大学から徒歩圏内ですぐに海に行けました。岐阜の山のなかで育った私は海が近くにあるという環境が新鮮で、大学1年の初夏の妙なテンションもあり真夜中に友人達と自転車で海まで行き、真っ暗な海で泳いだこともあります(まだ10代でした、若いって素晴らしいです)。 その後も事あるごとに海に行き、泳いだり肉を焼いたり花火をしたり波乗りをしたりしていました。居酒屋で

低タンパク血症

お腹の中にたまった水を腹水と言います。 腹水の原因は多岐に渡りますので、我々獣医師は、腹水を見つけたらなんとかそれを少量採取して検査を行い原因を探ります。 腹水が無色透明で細胞成分やタンパク質に乏しい場合、低タンパク血症の場合があります。 低タンパク血症とは、血中タンパク質が異常に低い状態のことを言い、タンパクの原料の不足、タンパク合成障害、タンパクの喪失などに分類されます。 タンパク合成障害には肝硬変などが代表されます。 お正月の救急外来で、他院にて「腹水がたまる病気」を1年間治療中のワンちゃんを診察しました。ステロイドという薬を3日に1回飲んでいるとのことでした。その日は嘔吐と下痢がひどいということでした。 エコー(超音波)検査にて、腹水(赤丸:黒くうつっているので、比較的キレイな腹水です)と、小腸粘膜の肥厚および粘膜層の特徴的な高エコー縞状パターンと言われる白い縦縞(赤矢印)を認めました。また血液検査にて重度の低タンパく血症を認めたため、タンパク漏出性腸症(特にリンパ管拡張症)を疑いました。 厳密に確定診断をするには内視鏡で腸粘膜の一部を取って調べる検査も必要なのですが、既に他院でステロイドを投薬していることと、飼い主様が内視鏡は希望されなかったので、リンパ管拡張症疑いとして、治療を一から組み立て直しています。 適切なステロイドの量と、必要であれば免疫抑制剤、また消化管内の過剰な細菌増殖を抑えるための抗生剤、そして徹底的な低脂肪食が必要です。 治療に良く反応する子は血中タンパク濃度が正常になり、薬も順調に減らすことができます。しかしこの病気は生涯にわたる治療が必要なため

誤飲事故にはご注意を!

今週末は成人式ですね。 晴れ姿に着飾った新成人たちが街を出歩いているのを見ると、自分の成人式を思い出します。 この時期の救急外来で最も多いのが『誤飲事故』です。 ワンちゃんネコちゃんは比較的吐きやすい動物です。1〜2回吐いても、その後元気も食欲もありいつも通りなのであれば通常大丈夫です。しかし、何度も吐いて元気がない、食欲もなくグッタリしている、こんな場合は診察が必要です。 嘔吐の原因は多岐に渡ります。 吐き気止めの注射だけではダメなこともあるのです。急性なのか慢性なのか、年齢や性別、既往歴や生活内容など様々な問診を行い、そして各種検査にて嘔吐の原因を鑑別していきます。 先日来院した若いワンちゃん、昨日までは元気だったのに今日から何度も吐いている、元気も食欲も無い、という主訴でした。お腹のエコーを確認したところ、消化管がかなり拡張しており、また一部の小腸がアコーディオンのようになっていました。 中心部には白い糸状のものも確認できます。消化管内異物(特にひも状異物)を強く疑う所見です。私は普段、異物の確認に消化管造影検査も行います。しかし、ひも状異物の場合は腸に強いテンションがかかり複数箇所の穿孔を起こしてしまうのでより緊急性が高い状況です。そこでご家族に説明し、造影検査は行わずにすぐに開腹手術を行いました。 お腹を開けて見ると、やはり腸にひも状の異物がつまっており、非常に危ない状態でした。腸切開にて異物を摘出し、腸をキレイに縫合し大網という組織を被せてお腹を閉じました。 合併症も少なくないこの手術ですが、この子は順調に回復し、1週間の入院ののちに元気に退院していきました。私もホ

昔飼っていた柴犬のお話

私が小学4年生の時に、柴犬の子犬が家にやって来ました。 知り合いの家で6頭生まれたので、1頭を引き取ったのです。 兄が「レッツ」と名前を付け、大事に育てました。非常に健康で丈夫な子でした。 田舎でしたから完全外飼い、夏の暑い日は地面のひんやり感を求めて庭に穴を掘り、冬の寒い日も小屋の中で毛布に包まり、雪が降ればテンションMAXで散歩に行く子でした。食事も残したことが無く、何を食べてもお腹を壊さない子でした。家族で焼肉に行くと、父が残った肉をレッツに持って帰って食べさせていました。 そんな元気なレッツも、お年を取るとある症状が頻繁に起こるようになりました。冬の寒い日に多かったですが、急に大きな声で「キャンキャンキャン!!」と鳴くのです。驚いて様子を見に行くと、背中を丸めゆっくりゆっくりとしか歩けない様子でした。ただそんな時でも食欲は有り、その他の症状は無かったです。 近所の動物病院に連れて行きましたが、病院に行くと症状は無くいつも通りの様子、また先生に上手く症状を説明できず、悔しい思いをしながらレッツと歩いて帰って来た記憶があります。 私が大学5年生の冬に、レッツは15歳で亡くなりました。 看取ってくれた父親からレッツが亡くなったと電話がありました。私は父親の泣いた姿を一度も見たことがありませんが、電話の声は泣いていたように感じました。翌日実家に帰って家族でお別れをしました。 獣医師になって、レッツの症状を思い出すと、慢性的な腰のヘルニアだったんだろうと思います。痛くて鳴いていたと思うと、かわいそうだったなと思います。上手く症状を先生に伝えられていたら、よく効く薬がもらえていたの

食道内異物(食道梗塞)

あけましておめでとうございます!! 今年も動物医療センター とよた犬と猫の病院をよろしくお願いいたします!! 新年最初のブログ更新は『食道内異物(食道梗塞)』についてです。 さてお正月になると、ヒトは餅を喉に詰まらせてしまう事故が増えます。 実はワンちゃんも同じで、特に小型犬は喉に何かが詰まってしまうことが多々あるのです。 先日来院されたチワワちゃん。リンゴを食べた後呼吸が苦しそう、とのことでした。来院時は比較的落ち着いていましたが、胸部X線検査では食道内に何かが見えます(矢印)。 食道内にリンゴが停滞しているのです。また苦しくてたくさんの空気を飲み、胃内がガスでパンパンです。 食道内で詰まりやすい場所は3ヶ所(①胸部入り口、②心臓の上、③胃の入り口手前)あり、①②は気管を圧迫するため非常に苦しいです。しかし③まで来ると意外と呼吸は楽になります。 この子が来院時、割と様子が普通であったのは③まで来たため呼吸が楽になったためであると思われます。しかし食道内にリンゴが停滞していては食事も取れませんし、食道炎や食道穿孔などに進行してしまう可能性もあります。 緊急性が高い状態です。 幸い、食べたものがわかっている(リンゴ)ので、内視鏡を使って胃までリンゴを押し込んでしまえばOKです。この子の後日の経過観察でのX線写真も載せますが、食道にも異物は無く胃にもガスはありません。 ジャーキーやリンゴなどを食べた後、呼吸が苦しそう、えづく、泡を吐く、落ち着かずウロウロする、などの症状が見られた場合は食道に詰まっている可能性が高いです。夜間救急病院に勤めている時は本当にたくさんのこのようなトラブル

特集記事
近日公開予定
今しばらくお待ちください...
最新記事
アーカイブ
カテゴリー

Copyright©動物医療センター とよた犬と猫の病院 All rights reserved.

動物医療センター とよた犬と猫の病院

〒471-0864  愛知県豊田市広路町1丁目1 イオンスタイル豊田1F

Tel: 0565-47-1299