とよたブログ

脾臓腫瘤の摘出

脾臓という臓器は腫瘤が出来やすいことで知られています。 そして比較的悪いものが多く、脾臓に出来た腫瘤の2/3が腫瘍性疾患、さらにその中の2/3が悪性腫瘍、その悪性腫瘍のほとんどが血管肉腫という極悪の腫瘍であることが知られています。 また、どのタイプの腫瘤でもお腹の中で破裂することがあり、出血性ショックを呈して救急来院することもあります。しかし基本的には悪くなるまで無症状なので、腫瘤が巨大になる、腫瘤が破裂する、他臓器に転移して一般状態が悪くなる、このような状態になってからしか飼い主様は気づくことができません。 早期対処をするためにはやはり健康診断で早期発見をしていくしかありません。 今回のワンちゃんは10歳のラブラドールちゃん。大型犬は脾臓に腫瘤が発生しやすいことをお伝えし、健康診断でエコー検査を行ったところ、やはり脾臓に腫瘤を認めたので脾臓摘出を行いました。 脾臓には多数の血管が入り込みますが、超音波凝固切開装置を使用することで、短時間でほぼ出血もせずに手術を終えることができました。 摘出した脾臓腫瘤の写真です。 赤く囲んだ部分は、正常な部分と比較して非常に柔らかく、もう少し大きくなったらいつ破裂してもおかしくない腫瘤でした。ただ、病理検査の結果は、腫瘍性疾患ではありませんでしたので、予後は良好です。飼い主様も非常に喜んでおられました。 無症状で進行する病気は非常に多いです。 これは健康診断でしか気づけません。 ワンちゃんネコちゃんは1年で4才の歳をとると言われています。 当院では1年1回の健康診断をお勧めしています。 動物医療センター とよた犬と猫の病院 院長 北原 康大

変形性脊椎症

私の家族のとらぞうは今年14歳になります。 まだまだ若々しい気持ちではいますが、寝起き等によく左の前足をびっこしています。 高齢の猫ちゃんは多くの子が加齢による関節症を持っていると言われています。あまり痛みの症状を出さないのが猫ちゃんですが、実は足が痛い、腰が痛いといったストレスを抱えて生活をしているかもしれません。 健康診断等で関節症が見つかった場合、サプリメントや減量などで症状を緩和できる可能性があります。また、明らかに痛そうにしている場合は、痛み止めを処方することもあります。 写真も高齢の猫ちゃんです。腰を触ると怒る、痛いかもしれないという訴えでした。 X線写真では、わかりずらいですが、腰の骨の変形が見られます。 これを変形性脊椎症といい、高齢の犬猫によく見られる背骨の疾患です。変形して増殖した骨が神経根を刺激する事で痛みや痺れを起こします。 大切な家族が気持ちよく長生きしてくれるように、健康診断を行っていきましょう。 言葉を話せない動物の変化に気づいてあげられるのは、ご家族と動物病院スタッフです。 動物医療センター とよた犬と猫の病院 院長 北原 康大

猫の陰睾

このブログでも何回か触れていますが、精巣が陰嚢内に下降してこない状態を 陰睾(潜在精巣)と呼びます。 犬は比較的多いですが、猫は通常すごく稀です。 文献によって差はありますが、猫の場合の陰睾は0.1〜1.0%以下というデータもあり、とにかく稀なのです。 しかし当院では開院以来すでに何頭か経験しており、文献や私のこれまでの経験と比較しても多く感じます。これは遺伝性疾患であり、当院は純血種の猫ちゃんが多く来院されることがおそらく影響しているのだと思います。 写真の猫ちゃんも生後8ヶ月まで待っても左側の精巣が陰嚢内に下降してこなかったため、エコー検査にて精巣の位置を確認しました。 鼠径部(またの皮下)に留まっていることが分かったため、手術を行いました。 この子は分かりやすかった方ですが、猫ちゃんの陰睾はすごく小さい事も多く、また皮下脂肪等が多い事もあり、触診やエコーでどうしても精巣の位置がわからないことがあります。その時は、開腹手術を行い、前立腺から精管をたどることで精巣を見つけ出します。そのように探した結果、腹腔内ではなく鼠径部にあるという事もあります。 手術を希望される場合は、一度診察を受けてください。 その子に必要な準備を行って万全な手術を行います。 動物医療センター とよた犬と猫の病院 院長 北原 康大

アカラス症(ニキビダニ)

アカラス症とはアカラス(ニキビダニ)が皮膚の中で過剰に増殖をする事で引き起こされる皮膚炎です。 脱毛、フケ、赤み、痒みなどを引き起こします。 ニキビダニはすごく小さいので、顕微鏡でないと観察できません。若齢で抵抗力が十分でない場合や、高齢で免疫を低下させるような基礎疾患がある場合によく発症します。 今回のワンちゃんも、生後3ヶ月齢の抵抗力がまだ弱いワンちゃんでした。 右肩に局所性の脱毛と赤みが見られました。 診断は抜毛検査で行いました。 これは患部の毛をピンセットで抜き、その毛根部を顕微鏡で観察するというものです。 動画ではニキビダニが動いている様子が良くわかると思います。 治療方法は、ニキビダニを退治するための駆虫薬の投与です。 いろいろな薬が使用されますが、最近は非常に効果の高い薬が新登場しています。また、二次感染を防ぐために抗生剤の投与や消毒を行います。また高齢の場合は基礎疾患も探します。 ちなみに、人にもニキビダニが寄生していることが多いです。顔ダニと呼ばれ顔面の毛穴に普段から住んでいます。通常はあまり悪さをせず、何も症状はありません。また、人と犬のニキビダニは型が違いますので、お互いに感染ることはありません。 動物医療センター とよた犬と猫の病院 院長 北原 康大

精巣腫瘍

精巣の腫瘍は割と発生頻度が高い腫瘍です。 特に精巣が陰嚢内に降りていない陰睾のワンちゃんに多いですが、正常に陰嚢内に下降している子でも発生します。 写真の腫大した右側の精巣が腫瘍です。 また、萎縮した側も腫瘍化していることがあります。 精巣の腫瘍は、腫瘍一般に言われるように、リンパ節や他の臓器への転移を起こす可能性もあります。 一方で精巣は精子を作るという機能の他に性腺として性ホルモンを分泌しています。そのため、精巣腫瘍となると、性ホルモンを過剰に産生することにより、脱毛や雌性化を起こすこともありますし、重度の貧血を起こすこともあります。 腫瘍化してしまった場合はまずは外科的に摘出しますが、その後は補助療法として抗ガン剤が必要になってくる場合があります。予後も非常に悪い場合があります。 こういったことを事前に防ぐため、 予防的に、若いうちに去勢手術をしておくことが推奨されます。 動物医療センター とよた犬と猫の病院 院長 北原 康大

乳歯遺残

私の息子の晃太朗にも可愛らしい乳歯が生えており、一人前にビスケットなどをカリッと食べています。 そこで今回は乳歯の話です。 ワンちゃんネコちゃんの乳歯は、通常は生後半年ほどで抜け落ち、永久歯に生え替わります。 しかし小型犬に多いのが、『乳歯遺残』です。 永久歯が生えて来ても乳歯が抜けない状態です。特に犬歯に多く見られます。 写真は抜歯した乳犬歯ですが、赤くラインを引いた部分が骨に埋まっている部位で、乳歯遺残の子はこんなにもしっかりとした乳歯根があるので自然とは抜けません。 乳歯遺残の問題点は、永久歯の噛み合わせが悪くなる、歯石付着や歯周病のリスクが上がる、などです。 抜歯が推奨される状態です。 抜歯は局所麻酔ではできません。全身麻酔が必要ですので、避妊手術や去勢手術の際に乳歯遺残が認められたら、一緒に抜歯することが多いです。 動物医療センター とよた犬と猫の病院 院長 北原 康大

ワンちゃんの妊娠のお話(膣スメア検査)

ワンちゃんの妊娠を希望する場合、ワンちゃんには交配適期というものが存在します。 排卵後の卵子の寿命と、膣内に放出された精子の寿命を考慮し、最も適したタイミングで交配をする必要があります。そのためには排卵日を特定することが必要になって来ます。最も正確な検査は、血液中のホルモンを測定することです。院内測定ができる病院はベストですが、ほとんどの病院が外注検査になってしまうため、検査結果を待つうちに適期を逃してしまう可能性があります。そのため、簡易的ですが検査をしてすぐに飼い主様にアドバイスができるのが、「膣スメア検査」です。 膣スメア検査とは、膣に綿棒を入れて粘膜上皮細胞を採取し、その細胞を染色して顕微鏡で観察するという検査です。犬の膣上皮細胞は発情周期の中で大きく変化をします。 普段は核のある細胞(有核細胞)がメインですが、排卵が近づくにつれて核の無い細胞(無核細胞)の割合が増えて来ます。排卵後は再び有核細胞が増えて来ます。 このバランスを見る検査ですが、たった1度の検査では細胞のバランスがどちらに向かっているのかが判断できませんので、数日毎の複数回での評価が必要です。 ただ、妊娠出産は神秘的なものなので、科学的医学的なことだけでは説明できない領域です。 ですから100%の検査ではないことはご了承ください。 それを踏まえた上で、妊娠を希望する場合は、発情出血が見られたら来院のタイミングを電話にてご相談くださいね。 動物医療センター とよた犬と猫の病院 院長 北原 康大

ワクチンアレルギー

春の予防シーズンになり、混合ワクチンや狂犬病の注射を受けるワンちゃんが増えて来ました。 ワクチンは動物たちの感染症を予防するために必要不可欠ですが、ごく稀にアレルギーを起こすことがあります。 一番多いのが、顔面浮腫(ムーンフェイス)で、まぶたや口の周りが蕁麻疹で赤く腫れてきます。痒がる仕草をする子もいます。 その他、嘔吐をしたり、アナフィラキシーで血圧が下がったりする子もごく稀にいます。 もしそういったアレルギーが起きても適切な対処をすれば問題はありません。 まずは予防をしっかりと受けていただき、もしそういった症状が出てしまった場合は一度病院までお電話をください。 動物医療センター とよた犬と猫の病院 院長 北原 康大

臍ヘルニア

ヘルニアというと、どうしても腰のヘルニアを連想してしまいがちですが、 ヘルニアとは「体内の臓器などが本来あるべき場所から脱出・突出した状態」のことを言います。ですから、椎間板ヘルニア、臍ヘルニア、鼠径ヘルニア、横隔膜ヘルニア、腹壁ヘルニア、脳ヘルニア、などの多種のヘルニアが存在します。 今回はその中でも多い臍(さい)ヘルニアの話です。 臍ヘルニアはいわゆる「出べそ」です。 生まれつきの孔から腹腔内の脂肪が脱出しており、押せば中に入っていきます。これを放置していると脂肪や内臓器が嵌頓(かんとん※1)して壊死を起こすため、命に関わることもあります。外科的に整復をした方が良い状態です。 ※1嵌頓(かんとん)とはヘルニアの中身が外側に出っ放しになって戻らなくなった状態のこと。 当院では、避妊手術や去勢手術を行う際に一緒に整復を行うことが多いです。麻酔時間もプラス5分くらいの簡単な処置で施術できますので、もちろん日帰りです。 しかし、嵌頓(かんとん)を起こした臍ヘルニアは手術もやや複雑になり出血も増えます。 入院も必要になってきますので、もしも臍ヘルニアがある場合は早めに整復しておくことをおすすめします。 動物医療センター とよた犬と猫の病院 院長 北原 康大

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