• 北原 康大

マムシ咬傷


ワンちゃんは、散歩中に草むらに顔を突っ込んでヘビに噛まれてしまうことがあります。

アオダイショウなどの無毒のヘビもいますが、毒ヘビの場合は噛まれると重度に腫れたり全身状態が悪くなり命に関わることもあります。日本で問題となる毒ヘビとは、本州ではマムシ・ヤマカガシ、奄美諸島以南ではハブです。

毒ヘビに噛まれると、まずは局所の出血や重度の腫脹が見られます。また牙痕周囲の皮膚が壊死して脱落してしまうこともあります。全身的には、溶血といって赤血球が壊されてしまったり、DICと言われる出血が止まらない合併症を起こすこともあります。また、急性腎不全も重大な合併症となります。

「犬猫は人と違ってマムシ毒に強い」と言われることもありますが、私の経験上、治療の甲斐なく亡くなってしまったワンちゃんもいます。

毒蛇咬傷は非常に重大な疾患と考えるべきです。

写真のワンちゃんも、散歩中に怪我をしたとのことで来院されました。鼻の横に特徴的な蛇の牙痕と持続的な出血を認めました。また周囲の皮膚は重度に内出血を起こしていました。

またヘビ毒によるショックのため低血圧となっていました。入院下で静脈点滴と抗生物質による治療を行い、なんとか急性期を乗り切って元気に退院できました。

経過観察のための再診では、わずかに牙痕が残るものの、腫れも引き皮膚も綺麗になっていました。

ここまで治癒すればもう安心です。

ただ、お散歩に行きたがらなくなってしまったと飼い主様はおっしゃっていました。きっと怖くて痛い思いをしたんですね。

ヘビ咬傷は、ヘビの活動性が上がる春から夏に多いです。散歩中に藪や低木の街路樹といった足元が不明瞭な所には立ち入らないほうが良さそうです。

動物医療センター とよた犬と猫の病院

院長

北原 康大

#マムシ #咬傷 #ヘビ毒 #DIC #急性腎不全

223回の閲覧

Copyright©動物医療センター とよた犬と猫の病院 All rights reserved.

動物医療センター とよた犬と猫の病院

〒471-0864  愛知県豊田市広路町1丁目1 イオンスタイル豊田1F

Tel: 0565-47-1299