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子宮蓄膿症

こんにちは。獣医師の岡松です。

猛暑とまではいきませんが、昼間はだいぶ気温が上がりました。暑い季節は動物も熱中症になりやすいので注意が必要です。ご来院された方に今月から夏の病院通信をお配りしています。熱中症や夏に多い事故に関する内容になっています。ぜひ一度ご覧ください。


ところで皆様のお家の女の子のわんちゃんねこちゃんは避妊手術を受けていますでしょうか?


先日初診で来院された高齢のわんちゃんが子宮蓄膿症という病気でした。

数日前より陰部からの排膿と食欲元気の低下が見られ、前日にかかりつけ医を受診しており、内容不明の注射のみ打ってもらったとのことでしたが…


当院でのエコー検査の結果、膿が貯留したことにより子宮が拡張しているのが認められました。血液検査とレントゲン検査も実施し、子宮蓄膿症と診断しました。

この病気は手術をしないと完治しないため、また命に関わる緊急疾患であるため、なるべく早く手術をすることが必要で、当院にて急遽手術をすることになりました。

そして、手術も数日間の入院も頑張ってくれたこの子は、元気に退院していきました。


子宮蓄膿症は犬では発情出血(生理)の後に発症することが多く、子宮内膜に細菌感染が起こった結果発症すると言われています。治療せずに放置すると細菌の感染が悪化し全身で強い炎症が起きてしまい急速に悪化してしまうことがあります。また、血液の凝固異常も起こることがありますので慎重な対処が必要になります。

基本的には卵巣と子宮を摘出する手術で回復することがほとんどで再発のリスクも抑えられます。基礎疾患等があり、手術のリスクが高い場合は内科療法が選択されることもありますが、再発するリスクがあります。


子宮蓄膿症は避妊手術をしておけば予防することができます。また避妊手術は、早期に実施することで乳腺腫瘍の発生を予防することができると言われています。ただし、術後は太りやすくなることがありますので、体重は要チェックです。

避妊手術するつもりがないという方も、もう一度検討していただければと思います。



動物医療センター とよた犬と猫の病院

獣医師 岡松 岳

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