股関節の病気
こんにちは。獣医師の岡松です。
レッグ・カルベ・ペルテス病という股関節の病気があります。大腿骨という太ももの骨の骨頭が壊死してしまい股関節に痛みが出る病気です。4〜12ヶ月齢の成長期の小型犬に見られます。
先日去勢手術で来院した子が少し前から左後ろ足が痛そうとの事で検査をしてみたところ、この病気でした。
レントゲンにて、大腿骨頭の変形と、左後肢の筋肉量低下が確認できます。
原因は詳しく分かっていませんが、遺伝的な要因、ホルモンの影響、解剖学的な要因等が可能性として考えられています。大腿骨頭に繋がっている血管が少なくなってしまい、血流が不足して骨頭が壊死してしまいます。骨頭が壊死して骨が脆くなるため、骨頭の骨が骨折を起こしやすくなってしまいます。骨折が生じると更に痛みが増してしまいます。
治療法は壊死してしまった骨頭部分の骨を手術で切除する方法がよく行われます。骨頭という股関節を形成する部位を切り落としてしまう手術ですが、偽関節という関節が形成されて小型犬の子は次第に歩けるようになる手術です。
今回この病気が見つかった子は、大腿骨頭を切除する事で治療しました。
術後のレントゲンです。
股関節を伸ばすと痛みが出るため足を使わないようになってしまい、長期的に治療しないでいると筋肉量が減ってしまいます。筋肉量が減ってしまうと、適切な治療をしても回復までに時間がかかってしまうことがあります。
術後はなるべく足を動かすようにリハビリを行い、早期回復目指します。
小型犬の子犬の子で、長期的に跛行が続いている場合は要注意です。歩き方に違和感があったら是非ご相談ください。
動物医療センター とよた犬と猫の病院
獣医師 岡松岳
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