『オス猫のお話』
院長の北原です。
記念すべき第1回目のテーマは『オス猫のお話』をしたいと思います。
先日、NHKの猫の特集を見ました。オス猫がなぜ急にいなくなるかという話題です。
遺伝子の多様性を保つために、オス猫は生まれた地域から出て旅をし、新たな場所でボス猫と戦い、そして交配し自分の遺伝子を残していくそうです。以前違う番組で見ましたが、ライオンも同じような話だったことを思い出しました。1頭のオスライオンと数頭のメスライオンで群れを作り、生まれた子供達は群れの中で成長し、オスの若ライオンだけが群れを離れ他の群れのボスとの戦いに挑んでいくそうです。
猫科のオスは戦いの人生なんですね...
うちの13歳の茶トラのとらぞうくん、昼は日向で気ままにお昼寝をして、夜は僕の布団に入ってくるような甘えっ子なんですが、本来はそんな戦いの本能が隠されているのでしょうか。
若いうちに去勢をすることで、このような戦いの衝動を抑えることができると思います。
病気の予防という観点からも大いにメリットがありますが、動物として遺伝子を残さなくてはという強いストレスからも解放されるので、心穏やかに暮らしていけるのかとも思います。
しかし、未去勢のオス猫はどこかどっしりと構えていて、顔つきも大きくて鋭く、特有の匂いを放ったりしていますし、病院での診察の際もあまり怒ったりしない子が多いです。個人的にはそんな去勢していないオス猫をどこか尊敬していて、人生の相談に乗ってもらいたい存在です。
動物医療センター とよた犬と猫の病院
院長
北原 康大