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昔飼っていた柴犬のお話

私が小学4年生の時に、柴犬の子犬が家にやって来ました。

知り合いの家で6頭生まれたので、1頭を引き取ったのです。

兄が「レッツ」と名前を付け、大事に育てました。非常に健康で丈夫な子でした。

田舎でしたから完全外飼い、夏の暑い日は地面のひんやり感を求めて庭に穴を掘り、冬の寒い日も小屋の中で毛布に包まり、雪が降ればテンションMAXで散歩に行く子でした。食事も残したことが無く、何を食べてもお腹を壊さない子でした。家族で焼肉に行くと、父が残った肉をレッツに持って帰って食べさせていました。

そんな元気なレッツも、お年を取るとある症状が頻繁に起こるようになりました。冬の寒い日に多かったですが、急に大きな声で「キャンキャンキャン!!」と鳴くのです。驚いて様子を見に行くと、背中を丸めゆっくりゆっくりとしか歩けない様子でした。ただそんな時でも食欲は有り、その他の症状は無かったです。

近所の動物病院に連れて行きましたが、病院に行くと症状は無くいつも通りの様子、また先生に上手く症状を説明できず、悔しい思いをしながらレッツと歩いて帰って来た記憶があります。

私が大学5年生の冬に、レッツは15歳で亡くなりました。

看取ってくれた父親からレッツが亡くなったと電話がありました。私は父親の泣いた姿を一度も見たことがありませんが、電話の声は泣いていたように感じました。翌日実家に帰って家族でお別れをしました。

獣医師になって、レッツの症状を思い出すと、慢性的な腰のヘルニアだったんだろうと思います。痛くて鳴いていたと思うと、かわいそうだったなと思います。上手く症状を先生に伝えられていたら、よく効く薬がもらえていたのかなとか考えてしまいます。

レッツが私の人生に大きな影響を与えたのは間違い無く、心から感謝しています。

動物医療センター とよた犬と猫の病院

院長

北原 康大

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