猫のウイルス性角結膜炎
人もインフルエンザが流行していますね。ちなみに私は基本的に健康なので、どんなに睡眠時間が短くてもどんな食生活でも風邪を引きません。
この時期はネコちゃんのウイルス性の風邪が流行る時期でもあります。くしゃみ・鼻水・咳・声枯れ・発熱など人間の風邪と似たような症状が出るのですが、ネコちゃんで特徴的なのが、口内炎や舌の潰瘍、また目の表面の炎症などが起こる子がいるということです。今日紹介する猫ちゃんは眼の症状が強く出た子です。
今日から急に左目が開かないというネコちゃん。
まぶたの裏の結膜がパンパンに腫れています。
これでは角膜の観察ができないため、とりえず抗生剤と抗炎症剤の注射、また抗生剤の点眼をして飼い主さんと世間話をしながら1時間待ちました。1時間で腫れが結構引いたので角膜の染色検査をして、緑色に広範囲に染まったところが角膜びらんです。
診断は角結膜炎(おそらくヘルペスウイルス性)です。
一般的にウイルスは乾燥した冬に感染しやすくなります。ヘルペスウイルスは一度感染すると神経節というところに潜伏感染し、生涯に渡りウイルスを保持することになります。何らかのストレスや抵抗力を落とす原因があると再度症状が現れます。
抗生剤とインターフェロン、場合によっては抗ウイルス薬によって綺麗に治りますが、再発には要注意です。また症状を軽くするため、ワクチン接種を行うことが必要です。
うちのとらぞうは完全室内飼いですが、たまに目をショボショボしたりくしゃみをしたりしています。おそらく私がウイルスを持ち帰ってしまっているのだと思います。帰宅したらとらぞうを抱きしめたい気持ちを抑えて、なるべくすぐにお風呂に入るように心がけています。
動物医療センター とよた犬と猫の病院
院長
北原 康大