とらぞうのお話
私は茶トラネコと一緒に暮らしています。
今年14歳になるオス猫で、名前はとらぞうといいます。
彼との出会いは、私が獣医師になった8年前にさかのぼります。
獣医師になって最初に修行させてもらった病院にスタッフ猫として彼はいました。当時のとらぞうは働き盛りの6歳、病院の中を自由に歩き回り、入院患者の見回りや声かけをし、時には輸血が必要な子に血液を分けてあげたりもしていました。そして何より私たちスタッフを癒す病院のマスコット的な存在でした。
そもそも病院の猫になった経緯は、今から14年前に子猫だったとらぞうをある人が病院に置いていって、迎えに来なかったそうです。それ以来、彼は病院の猫として忙しい毎日を過ごしていました。
とらぞうと出会ってしばらく経ち、私と彼はお互い気の合う存在になっていました。そろそろ病院の仕事をするのも大変な年齢になっていましたので、私はとらぞうを引き取って家族として一緒に暮らそうと思いました。彼が9歳になる年でした。
それ以来、とらぞうは北原家のネコとなり、美味しい物を食べ、一緒の布団でぐっすり眠り、毎日気ままに過ごしています。
昨年夏、嘔吐をする回数が増え、食欲にもムラが出てきました。検査をしたところ慢性膵炎が見つかったため、自宅にて治療を行っています。今は元気食欲もあり、嘔吐もほぼ無し、体重は現役時代よりも増え5.7kg。ここ数年で一番元気です。
昨年、私の息子が生まれ、とらぞうにとっても大きな環境の変化でしたが、よく息子の面倒を見てくれ、すごく良い影響を与えてくれています。
見た目もまだまだ若々しく、これからもずっと一緒に暮らせることを願っています。
動物医療センター とよた犬と猫の病院
院長
北原 康大