臍ヘルニア
ヘルニアというと、どうしても腰のヘルニアを連想してしまいがちですが、
ヘルニアとは「体内の臓器などが本来あるべき場所から脱出・突出した状態」のことを言います。ですから、椎間板ヘルニア、臍ヘルニア、鼠径ヘルニア、横隔膜ヘルニア、腹壁ヘルニア、脳ヘルニア、などの多種のヘルニアが存在します。
今回はその中でも多い臍(さい)ヘルニアの話です。
臍ヘルニアはいわゆる「出べそ」です。
生まれつきの孔から腹腔内の脂肪が脱出しており、押せば中に入っていきます。これを放置していると脂肪や内臓器が嵌頓(かんとん※1)して壊死を起こすため、命に関わることもあります。外科的に整復をした方が良い状態です。
※1嵌頓(かんとん)とはヘルニアの中身が外側に出っ放しになって戻らなくなった状態のこと。
当院では、避妊手術や去勢手術を行う際に一緒に整復を行うことが多いです。麻酔時間もプラス5分くらいの簡単な処置で施術できますので、もちろん日帰りです。
しかし、嵌頓(かんとん)を起こした臍ヘルニアは手術もやや複雑になり出血も増えます。
入院も必要になってきますので、もしも臍ヘルニアがある場合は早めに整復しておくことをおすすめします。
動物医療センター とよた犬と猫の病院
院長
北原 康大