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ネギ中毒

こんにちは。院長の北原です。

先週末は1日80件以上の患者様が来院され、待合室の混雑と長い待ち時間が発生してしまいました。開院して2年半、多くの患者様に来院していただける病院になり、今後さらに当院の診療体制を強化していくべくスタッフ達と準備をしております。ご不便をおかけしてしまうこともあるかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。

さて、犬や猫はネギを食べてはいけないというのは多くの方がご存知だと思います。ネギ類(ネギ、タマネギ、ニンニク、ニラなど)に含まれる「プロピルジスルフィド」という物質が、「ハインツ小体性溶血性貧血」を引き起こすからです。比較的多いケースは、ハンバーグを食べてしまった、というものでしょうか。ネギ類の毒性は様々な要因に左右されるため、決まった中毒量はありません。個体ごとの感受性も違いますので、少量でも中毒になってしまうこともあります。

中毒を起こすと、赤血球が溶血(壊される)して貧血になります。目に見える症状は、元気食欲の低下、粘膜色の変化、嘔吐下痢などですが、特徴的なのは血色素尿といって尿の色が血尿やコーヒー色になる、ということです。

先日来院されたこのワンちゃん、前日にタマネギが入った料理をたくさん食べてしまったそうです。そして翌日に血尿が出たということで来院されました。

病院で尿を採取すると、血尿というよりは真っ黒なコーヒー色。溶血による血色素尿であり、タマネギ中毒が発症している状態でした。下の写真が尿です。

血液検査でも溶血所見(ビリルビンの上昇)が認められました。

下の写真は血清の色が溶血により赤変している様子です。正常であればほぼ透明です。

このワンちゃんは入院にて治療を開始しましたが、重い中毒症状であったために徐々に貧血が進行していき、輸血を行って救命しました。動物たちの輸血に関しては、また別のブログで詳しく解説しようと思います。

そして合計2週間の入院ののち、中毒から回復し赤血球の回復が認められ、元気に退院となりました。

食べてはいけないものを間違って食べてしまった場合、直後であれば病院で吐かせる処置が有効なことも多いです。また中毒症状が出てしまった後は、集中的な治療が必要になります。

何かお困りごとがあれば、当院までご相談くださいね。

動物医療センター とよた犬と猫の病院

院長 北原康大

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