鳥取で学んだこと①
私は大学時代を過ごした「鳥取」を愛しています。
鳥取へ行ったことのある方は非常に少ないと思います。鳥取への恩返しとして、あまり知られていない鳥取の魅力をお伝えして行くことを1つのライフワークとしていますので、少しずつブログにも書いて行こうと思います。
また獣医師という職に興味を持っていただくため(獣医大学が新設されるということもありますし…)、獣医大学の少し変わった生活なども紹介していけたらと思っています。
鳥取は日本で一番人口が少なく、市は4つしかありません。日本海に東西に長く面しており、少し内陸に行くと中国山地の険しい山々があります。海と山に囲まれた土地です。そして日本海側なので平地でも冬はめちゃくちゃ雪が振ります。冬は太陽が出ません。高速道路も当時はありませんでした(私が大学を卒業してから鳥取自動車道が完成し中国自動車道とつながりました)から、鳥取の自動車教習所に通った私は高速道路教習をしていません。汽車(電車ではありません、ディーゼルです)は単線で良くて30分に1本、ボタンでドアが開閉します。鳥取駅には自動改札がありませんでした。
一言で言うと、とにかく田舎です。
そんな鳥取も魅力は満載です。
まず一番に思いつくのは海です。
大学から徒歩圏内ですぐに海に行けました。岐阜の山のなかで育った私は海が近くにあるという環境が新鮮で、大学1年の初夏の妙なテンションもあり真夜中に友人達と自転車で海まで行き、真っ暗な海で泳いだこともあります(まだ10代でした、若いって素晴らしいです)。
その後も事あるごとに海に行き、泳いだり肉を焼いたり花火をしたり波乗りをしたりしていました。居酒屋でのバイト終わりの深夜からバイト先の店長や友人達と海釣りに行くこともありました。研究室の教授のお供で3月の海に潜った時は、寒さで命を落としそうになりました。
また境港をはじめとして大きな漁港が点在し、美味しい魚介類がたくさん獲れます。
とにかく新鮮な魚介類が獲れるため、ある日大きなブリを買って来てブリしゃぶをすることになりました。友人とともに捌いていくと、ブリの身からとてつもなく大きな寄生虫がたくさん出てくるのです。ブリの切り身しか見たことが無かった私はドン引きでしたが、広島出身の友人はこんなのは当たり前だといいます。そういえば1年の寄生虫学の授業でも、先生が鳥取港で買って来た普通のイカから、アニサキスという寄生虫をみんなで探すという謎授業もありましたし(実際たくさんいました)、とにかく自然界には寄生虫というのが当たり前のようにいるということを教えてもらいました。
強引に寄生虫の話に持って行きましたが、寄生虫というのはそれぐらい身近なもので、ワンちゃんネコちゃんに様々な害を及ぼします。しかし現代の予防薬や駆虫薬はとても優秀で、安全確実に寄生虫をやっつけることができます。春になったらフィラリア・ノミ・マダニなどの寄生虫予防を必ず行いましょう。
ちなみに、魚介類にいる寄生虫は、良く火を通して食べれば問題ないですし、実際知らぬまに私たちは大量の寄生虫を食べています。イカの表面に細かく切れ目を入れるのも寄生虫対策です。こんな話を食事中にするので、私は家族から嫌われているかもしれません。
動物医療センター とよた犬と猫の病院
院長
北原 康大