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急性膵炎


急性膵炎とは、膵臓の炎症により消化器症状(嘔吐、下痢、食欲不振、腹部痛など)が引き起こされる病気です。軽症であれば胃腸炎と同じような経過で完治しますが、重症化するとDICや多臓器不全を起こし、命に関わることもある怖い疾患です。

急性膵炎と診断されるワンちゃんネコちゃんが、一昔前よりも増えてきました。

その理由は、血液検査にて膵特異的酵素の測定が可能になったこと、超音波検査機器の性能向上、こういったおかげで、近年比較的容易に診断できるようになってきました。

しかし膵臓原発の炎症なのか、その他疾患(消化管内異物・腹膜炎・腫瘍など)からの2次的な異常なのかは、しっかりと鑑別していく必要があります。

上の写真のエコー所見は典型的な膵炎のワンちゃんです。十二指腸の横の膵臓が黒く写り、その周囲の脂肪や腹膜が真っ白に写っています。また、その他に起こりうる所見としては消化管が拡張したり、波打ったり(コルゲートサイン)します。

原発性の急性膵炎と診断されれば、十分な輸液、確実な制吐、鎮痛剤、そして嘔吐が無ければ早期からの経腸栄養開始など、治療が確立されています。また近年は、膵炎の特効薬も開発されており、以前よりも治療が行いやすくなっています。

何よりも、確実な診断を下すことで適切な治療が行えるので、常にそれを意識して日々の診療に当たっています。

動物医療センター とよた犬と猫の病院

院長 北原康大

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