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白猫の耳

こんにちは!

院長の北原です。

連日、忙しい毎日が続いています。土日は100件近くの外来数となるため、待ち時間が最大1時間ほど発生する時間帯もあります。ご迷惑をおかけしておりますが、スタッフ一同頑張っていきますので、よろしくお願いいたします。


今日は白い猫ちゃんの話です。

この子は「他院で治療中だけど、耳のカサブタが治らない」と来院されました。

白い猫ちゃんです。


私たち獣医師は、「白猫」「耳」「壊死」というキーワードですぐに「扁平上皮癌」という病気を鑑別に挙げます。白い猫は紫外線が要因となり、耳(耳介先端)に腫瘍ができやすいのです。

この子の腫瘍は進行しており、耳の端が大きく欠損していました。自壊部を気にして頭を振るたびに血液が飛び散ります。手術前提で検査をしたところ、高齢ということもあり、慢性腎不全や心筋症などの病気が見つかり、手術に関しては飼い主様とよく相談をしました。

麻酔リスクを含めて迷われていましたが、手術の同意をいただいたため、耳介部の腫瘍切除を行いました。外科マージンを十分に確保し、耳の根本から無事に切除完了。白猫ちゃんも麻酔と手術に無事に耐えてくれました。

病理検査でもやはり診断は「扁平上皮癌」。しかし完全切除が達成できたので、予後は比較的良好だと思われます。ただ、複数箇所で発生することもあるので、要経過観察です。



扁平上皮癌は、さまざまな部位で発生します。

主に皮膚・鼻腔・口腔・肺などです。

皮膚の中でも今回の耳介は分かりやすい例ですが、鼻鏡(いわゆる鼻)にできることもあります。

実は、うちの現在17歳の茶トラのとらぞうも、数年前に急に鼻鏡に潰瘍ができたことがありました。私は「扁平上皮癌かもしれない…、とらぞうの鼻を切除しなきゃ…」と、大変心配しました。

しかし、少し経過観察していると、潰瘍→カサブタ→上皮化、つまりは勝手に治ってしまいました。 結果的にはただの外傷だったわけですが、治るまでの数日間、私は食事も喉を通らないぐらい心配しました(とらぞう本人は、何も気にすることもなくご飯をガツガツ食べていました)。

今はすっかり綺麗になり、元気にしています。 犬や猫の体表に、何か見慣れないものがある場合、いわゆる「しこり」ではなくカサブタのようなものでも、何かの腫瘍の可能性もあります。

気になることがありましたら、当院まで診察にお越しください。



動物医療センター とよた犬と猫の病院

院長 北原康大

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